赤水・赤錆とは?

水道管に鉄管が用いられている場合、鉄が酸化しが発生します。
正確には、大気中や水中の酸素の作用で金属の表面に赤茶色の酸化第二鉄ができます。
それが「赤錆」と呼ばれるもので、名前の通り、赤色の塊になっています。
また、その錆が水を赤く染めて出てくる現象を「赤水」といいます。

赤錆は通常の黒錆と違い、非常にもろい錆です。そのため、水に溶け込みやすく、進行が早いのが特徴です。

鉄管の中に多くの赤錆が発生している場合、全く水が流れていない状態から急に水を流すと鉄管の内側に発生している赤錆のうち表面のやわらかい部分が水とともに大量に流れ出し、赤水に。
これは、極端に水を流したので大量に出てきて赤色に見えるわけなのですが・・・普段、水道水が透明に見えたとしても内部に赤サビが発生している場合は少しずつ水道水の中に溶け出してきているということになります。

 

 

赤サビによる被害

赤錆は非常にもろく、また水に溶けやすい性質から、水道水に溶け出してきます。

特に赤錆がヒドイ場合などは目に見えるのですが、普段、水道水に溶け込んでいる赤錆は目で見ることができません。

通常、赤錆が水道水中に溶け出している場合、水がまずくなったり異臭がしたりして、赤錆の存在に気付く場合もあります。
しかし、大半の人が状態がひどく悪化するまで気付かないのが現実なのです。

 

鉄分の過剰摂取による問題

赤錆は「酸化水酸化鉄」、すなわち「鉄」が主成分です。
もし赤錆が溶解した水を体内に取り込んだ場合、人体にとってこの赤錆は単なる「鉄分」として捉える事ができます。
鉄分は全身への酸素の運搬を担うといった面では生命の維持にかかわる非常に重要な要素です。
しかし、鉄分は摂取すればするほど良いかと言うとそうではありません。
多くのミネラル同様に、鉄も過剰に摂取すると弊害が起きます。
その代表的な例が鉄の過剰摂取によって引き起こされる「鉄過剰症」です。
これは、鉄分を必要以上に長期間摂取する事によって引き起こされます。
鉄は、血液中に必要な分はヘモグロビンの中に含まれているのですが、余剰分を肝臓を主とした各臓器に貯蔵しています。
しかし過剰に鉄を摂取すると、肝臓への負担が増えてしまうのです。
過剰に貯蔵された鉄は肝臓機能の低下を招き、しばしば肝硬変を招く上、肝細胞の癌化を促してしまう事態にもなりかねません!
また内分泌系機能にも影響を与え、糖尿病を合併するケースもあります。また、皮膚に対しては色素沈着として症状を発する場合も。
このように人体になくてはならない鉄も、過剰に摂取すると恐ろしい影響を与える事があります。
特にアルコールを摂取する方は鉄過剰症から肝硬変を引き起こしやすいため注意が必要です。

人体・生活への影響

水道管の内部の赤錆は、肉眼で確認することはできません
また、赤水といっても水道水が真っ赤に染まっているわけではないので、普通に使用しているだけでは水道管内部の状況は見ることができないため想像もつかないと思います。

  • 赤水の中には、鉄バクテリアなどの微生物が存在します。不衛生であるうえに、他の細菌の発生を招くこともあります。
  • 鉄の味がするなど、水の味が落ちます。
  • 赤水が出ることで洗濯物が赤色に染まってしまいます。
  • 洗面器・便器に赤茶色の水跡が残ってしまいます。
  • 水の流れが悪くなり、漏水の原因になります。
  • 製品製造において水を利用する場合、製品の品質に問題が生じることがあります。

年月が経っていれば赤錆は発生し、赤水が流れてきます。

特に1970年代以前に竣工された建物で使用されているGP管や1990年以前のVLGP管は、赤錆・赤水対策が必ず必要です。
1990年以降に竣工した建物でも、コア継手を使用している場合は対策が必要になります。

 

 

水道管の漏水事故など、手遅れになってはじめて工事などの手を打つことも多くあるようです。
対策が遅れ、赤錆が深く進行していくと、対策できることも限られてしまいます。
工法によっては再度対策が必要になるなど、高額な費用がかかるといったデメリットしか生みません。
現在赤錆が進行している場合は、その程度を診断によって認識し、その現場に応じた対策をとることが非常に大切です。

水道管が錆びる理由

水道管の内部は常に水道水で満たされています。そして水道管の材質は鉄です。
従ってにとっては非常にサビやすい環境になっています。
水道管が鉄でできている以上、サビる事は仕方のない事です。

特に水道水の中に含まれている塩素(カルキ)は強力な酸化剤として鉄をサビさせるのです。

水道水は殺菌及び雑菌の繁殖を抑えるために塩素を混入する必要があります。
しかし、この塩素のせいで水道管のサビはどんどん進行してしまいます

 

 

水道管が錆びることによる影響

水道管(鉄)が少しづつ赤錆に変化していき、もろくなって水に流れて減っていく事で水道管の管の壁が薄くなっていきます。
そして、この赤錆の進行が管の外側まで達した時、内部の水が外に漏れ出す「漏水」を引き起こされます。
また水に流されずに固まってどんどん大きく成長していく赤錆もあります。これは「錆コブ」といわれる現象です。
この錆コブが大きくなりすぎて配管内部を狭くしてしまう事があるのですが、これが「詰まり」や「水の出がわるくなってきた」の原因の一つになります。

もう改善の余地がないほどに赤サビが進行してしまうと、宅内の水道管を取り替える大掛かりな工事が必要となり、高額な費用が必要です。

赤水(赤錆)は水道管の代表的なトラブル

普段から普通に使用していても、その水道管についてまで意識している方は少ないと思います。
しかし水道管に関するトラブルは突然発生します
その最たるものがが、赤水が出てくることではないでしょうか。
施工から年月が経つと水道管で赤錆が発生しやすくなりますが、肉眼で確認することはできません。
また、一般の方が修理できるようなトラブルでもないため、対処法が難しいところです。
赤水とは、水道管を構成している鉄と水が触れて、鉄が酸化することで起こる現象です。

現在の水道管は、ビニールなど様々な材質をコーティングしていて、赤錆が発生しにくいよう工夫されています。

しかし、継ぎ手部分の鉄がむき出しになっているタイプや、すべて鉄でできているGP管が使用されている場合、赤錆が発生しやすい状態といえるのです。
また、完全にコーティングしている水道管であっても、経年劣化により皮膜が剥がれ落ちてしまいます。

  • 水がまずく感じる
  • 水から鉄の味がする
  • 水がにおう
  • 水の流れが悪い
  • 洗濯物があまりきれいにならない、色がつく
  • 洗面台や便器に赤い筋が残る
  • 数日ぶりに水道を使うと、最初だけ赤っぽい水が出る

 

 

フラッシングや浄水などで一時的に対処

フラッシングとは、水圧を利用した赤錆除去のことで、水道の蛇口を限界まで緩め高圧の状態で数分間水を排出します。
高圧洗浄に近い状態になるため、水道管の表面に付着した赤錆ごと流すことができますが、あくまで一時的な措置です。
また、浄水器を設置する方法もあり、フラッシングと異なり水道代を気にする必要がありません。
しかし、フィルター交換を頻繁におこなうことになるため、コストの負担が大きい場合は別の方法を検討するのがおすすめです。

 

水道管交換工事で対処

蛇口をひねるたび赤黒い水が出てくる場合、フラッシングや浄水器では対応できない可能性があります。
予算の確保ができる場合は、水道管の交換工事も検討してみるのがおすすめです。
文字通り水道管を交換する対処法で、根本的に赤錆を改善できる可能性が高いといえるでしょう。

ただし、水道管が通っている床や壁などは、一部解体する必要があるためリフォーム工事まで範囲が広がります。

また、対処法の中でも長期間に渡って、工事を行う必要性があり、その間の生活を事前に考えておく必要もあります。
水道工事会社が行う対処法には、水道管の交換工事以外に配管清掃という方法も用意しています。
配管清掃とは、高圧洗浄で水道管に付着している赤錆を落とす方法で、専用の洗浄機を使用しているので一般の方ができる作業ではありません