水は命の恵
水、それは古代から現代へとつながる歴史のなかを永遠に生き続け、私たち地球上の生物すべてに恩恵をもたらす命の恵です。
私たちの生活の中で、なくてはならない物なのは間違いありません!
大自然の中で、激しく落下し、渦巻き、キラキラ輝く水滴となって飛び跳ね、せせらぎとなって流れる、時には静かにこんこんと湧きでる水。
これら水が見せる幻想的な表情・雄大さ・躍動・静寂の中でキラキラ輝く透明な水。
これが水の命であり、私たちに感動と心の安らぎを与えます。
島根県は、東西に細長く南北に狭いという地形的特徴をもっていて、各々の市町村が必要とする水道水を単独で確保することが難しいことから、県の東部及び西部の広範な地域の飲み水に供するため、企業局が広域的な観点で水道水を確保して、関係市町の水道局等に供給しています。
この水の原水は、東部地区は斐伊川水系、西部地区は江の川水系のきれいな河川から取水され、微生物が水を浄化する「緩速ろ過」という方法によって安全な水となるのです。
都市地域で行われている「急速ろ過」とは異なり、非常に美味しく、体に優しい「飲み水」です。
環境省選定「名水百選」に島根県から以下の5ヶ所が選定されています!
昭和の名水百選(昭和60年選定)
- 壇鏡の滝湧水(隠岐の島町)
- 天川の水(海士町)
平成の名水百選(平成20年選定)
- 浜山湧水群(出雲市)
- 鷹入の滝(安来市)
- 一本杉の湧水(吉賀町)
緩速ろ過とは
山の湧き水は、人にとって悪い影響を及ぼすモノを微生物がエサとして食べた後の水であり、雨などが山の土壌の中を自然にゆっくり流れることでつくられます。
緩速ろ過は、この自然の中で飲み水ができる原理を用いているのです。
人工的に造ったプールの底に砂を敷き詰め、この中にゆっくりゆっくり原水を通し、微生物の浄水処理によって綺麗な水をつくります。
砂の中の微生物が原水中のエサを捕るためには、水の流れる速さが問題となり、微小な生物にとって餌が流れる速さは、人間の視点で「ゆっくり」でないといけないのです。
これに比べ、非常に速い速度で水をろ過するのが「急速ろ過」です。
このため、緩速ろ過のように広大な土地を必要とせず、また、短時間で多量の飲み水をつくり出すことができます。
島根県企業局は、自然の中で営まれている方法と同様な緩速ろ過により、ゆっくりと飲み水をつくっています。
美味しい水の特徴
- 蒸発残留物:数値が大きいと苦味、渋味、塩味などを感じる
- カルシウム・マグネシウム(硬度):数値が大きいとしつこい味がし、低いと淡白な味になる
- 遊離炭酸:数値が大きいとピリピリした味になる
- 過マンガン酸カリウム消費量:数値が大きいと渋味がでて味は悪くなる
- 残留塩素:数値が大きいと塩素臭が強くなる
30〜200mg/リットル【島根県企業局:64mg/リットル】
10〜100mg/リットル【島根県企業局:17mg/リットル】
3〜30mg/リットル【島根県企業局:3mg/リットル】
3mg/リットル以下【島根県企業局:1mg/リットル以下】
水道水質基準0.1mg/リットル以上【島根県企業局:0.3mg/リットル】
飲み水は命の源
蛇口をひねるといつでも流れ出る水道水。だからといって、水道水を粗末に扱ってはいけません!
原水となる河川の状況にも気を配り、水質検査、機械の制御、全体システムの監視の他、設備の修繕や点検巡視に力を注いでいます。
水道水は、一般家庭の飲料水、調理、洗濯、風呂、水洗トイレに使われる以外に、飲食店、デパートなどの営業用水、また、公衆トイレ用水などに使われ、一人一日あたり316リットル、実に、ドラム缶1.5本分を毎日使用しています。
自然の恵みを自然な方法によってつくり出す「命の水道水」を大切に扱いましょう。
水道水をおいしく飲む方法
水道水には消毒効果を保つための残留塩素(カルキ臭の要因)が入っているため、ニオイや味が気になることもあります。カルキ臭を抜いてお水の味を楽しむためには、煮沸したりレモン果汁を入れたりすると効果的です。
なお、朝一番の水や長期間家を空けたあとの水道水は、水道管に長く留まっているため塩素の効果が薄まっていたり、サビや不純物が混入していたりする可能性があります。
洗濯やトイレに使う分には問題ありませんが、飲み水にする場合はバケツ一杯ほどを出してから使うようにしましょう。
やかんや鍋に水道水を入れ、ふたをしないまま5分から10分ほど沸騰させます。
カルキが抜けて柔らかい口当たりになります。
水道水にレモン果汁を足すと、塩素が分解されてカルキ臭がなくなります。
また、レモンの風味が加わることでさっぱりとして飲みやすい味になります。