代表的な水の種類

飲料水について、一口に水といってもさまざまな種類があります。
無色透明の水は、一見するとどれも同じように感じることでしょう。
しかし、原水の採水地や硬度、ろ過などの処理方法によって、水は複数の種類に分類できます。

ウォーターサーバーの水も種類が複数あるため、導入前にどのような種類の水があるかを知っておくと安心です。

水の種類を正しく理解して、自分にとって最適な水を選ぶことをおすすめしたいと思います。

 

水道水

水道水は、ダムに貯まった雨や雪を原料としており、ろ過をしたあとに塩素消毒をする必要があります。
水道水として各家庭に供給するためには、トリハロメタンなどの化学物質、一般細菌や大腸菌を含まないといった、厚生労働省が定めた水質基準をクリアしなければなりません。
日本の水道水の安全性は高いものの、水道管やマンションなどの貯水槽の状態により、錆や汚れが混入する恐れがあります。
飲用水として利用する場合は、浄水器を取り付けるといった工夫を取り入れると安心です

 

炭酸水

炭酸水とは、炭酸ガス(二酸化炭素)を含んでいる水のことです。
水に圧力をかけて二酸化炭素を溶かし込んで製造したタイプと、地層から噴出する炭酸ガスを含んだミネラルウォータータイプの2種類があります。
後者は主にヨーロッパで湧くことが多く、日本でもペットボトルに詰められた商品が販売されています。

 

アルカリイオン水

アルカリイオン水とは、水を整水器で電気分解したときにマイナス極に触れた水が水素になることでアルカリ性に変化した水です。
口当たりがまろやかで飲みやすいのが特徴で、水分補給や料理などに活用できます。
アルカリイオン水は、一般的にアルカリイオン整水器という機械によって作られます。
アルカリイオン水ができる仕組みは、水道水を浄水した後にカルシウム剤を添加して電気分解を行うといったものです。

 

RO水

RO水とは、RO膜を利用してろ過をすることで、不純物や有害物質、ミネラル分をすべて除去した純水の1種です。
不純物がないことで安全性が高い一方、ミネラル分も除去していることでそのまま飲用すると味が良くないという欠点があります。

ドラッグストアなどで市販されていますが、雑菌が繁殖しやすいため扱いには注意が必要です。
開封後は冷蔵庫で保存し、1週間を目安に使い切りましょう。

 

精製水

水道水を蒸留することで、不純物や塩素、ミネラル分をすべて除去した純水の1種にあたります。
精製水は飲用するものではなく、化粧水やコンタクトの洗浄液として利用することが一般的です。

 

海洋深層水

海洋深層水とは、太陽の光が届かない水深200m以上にある海水のことです。
細菌類や有機物を含まない上に、豊富なミネラル分が含まれています。ただし、脱塩処理をRO膜で行うことでミネラル分が少なくなるため、市販されているものはミネラル分を調整していることが一般的です。

 

最近は環境破壊の影響もあって水質が低下してきていて、水道水を何の処理もなくそのまま飲むことに不信感や抵抗を感じている人が増加してきています。
そこでウォーターサーバーを利用するといったように、水を購入して飲むようになる人や家庭が増えてきているのです。

 

 

 

 

 

 

 

水の種類を分類する原水と硬度

水の種類を分類する場合、どこで採水した原水かという点と、ミネラル分の含有量である硬度という2つの条件があります。
また、水は、ミネラルの含有量により主に「硬水」「軟水」に分けられます。
カルシウムやマグネシウムといったミネラル分が多いと硬水、少ないと軟水に分類されるのです。
正確な数値基準はWHO(世界保健機関)により定められていますが、日本では地形や大地に含まれる鉱石の関係で軟水が多いと言われています。

 

原水による分類

水道水の場合、水質基準をクリアしていれば原水の水質を問わないのが特徴です。
そのため、ダムの他に、沼、池、河川、井戸、湧水、海水などの複数の原水を浄水場で取水しています。
一方、ミネラルウォーターの場合は、地下水や湧水などの原水を、特定の採水地から採水しているというのが大きな違いです。
水道水では塩素による消毒を行いますが、ミネラルウォーターはろ過、加熱処理に加え、ミネラル分の添加といった処理を行う場合もあります。

 

どう選ぶか

飲用水として安全に飲めるものばかりですが、しっかりと目的に合わせて選びましょう。

 

赤ちゃんに与えるなら

水分補給のためにごくごく飲むときや赤ちゃんのミルク作りには、RO水や軟水のミネラルウォーターが向いています。
特にRO水は、厳しい検査基準をクリアした水を特殊なフィルターでろ過した安全性の高い水で、赤ちゃんにも安心して与えられます。

 

味の美味しさで選ぶなら

例えば、常に一定の味(美味しさ)を求める人にはRO水がおすすめです。
また、より自然な味を好む人にはナチュラルミネラルウォーターがおすすめ。軟水のナチュラルミネラルウォーターを選べば、よりまろやかな口当たりとすっきりした喉ごしを感じられ、硬水を選べばしっかりとした味を楽しめます。

 

健康維持・美容・ダイエットに活用したいなら

健康維持や美容、ダイエット目的の方には、アルカリイオン水や海洋深層水がおすすめします。
炭酸水ならお風呂上がりや気分をリフレッシュしたいときにおすすめです。

 

コスパ重視なら

とにかくコスパを重視したいのなら、水道水をそのまま利用すれば大丈夫でしょう。
成分やニオイが気になる場合は、RO水を選択肢に入れてもいいと思います。
RO水を取り扱っているウォーターサーバーを設置すればいつでも飲めるので、長い目で見ればコスパも悪くないと言えます。

 

水の酸性・中性・アルカリ性とは

無色透明な水ですが、実はミネラルや水素イオンなどさまざまな成分が含まれており、その割合によって水の性質や味が変化します。

 

飲料水で重視されるポイントの1つに「pH」があります。
これは水に含まれる水素イオンの多さを表したもので、pHが低ければ酸性、高ければアルカリ性に分類されます。
具体的にはpH7が中性、pH1〜6なら酸性、pH8〜14ならアルカリ性です。
酸性の水は飲むと酸っぱく、アルカリ性の水は苦味やヌルヌルとした感触があります。

 

例えば、お酢はpH2〜3なので酸性、海水はpH7.4〜8.1なので弱アルカリ性です。
飲料用の水は中性が望ましいため、日本の水道水はpH5.8〜8.6と規格が定められています。

なお、pH9以上の強いアルカリ性の水は、胃酸の作用を弱めたり下痢を引き起こしたりするため、飲用には注意が必要です!

 

水の「硬度」で味は変わる!

水に含まれるミネラル分(カルシウムやマグネシウム)の量を表したものが「硬度」です。
硬度の高い(ミネラルの多い)水は硬水、硬度の低い水は軟水に分類されます。
ただし日本では、一般的に硬度100以下を軟水、101以上を硬水と分類しています。
水の性質は国の地形や地層によって大きく異なり、日本の水は軟水、ヨーロッパの水は硬水が中心となっています。
日本の地層はミネラルの少ない火成岩が中心であり、山の傾斜も急なため雨水は短時間で海まで流れ出ます。
そのためミネラルが水に溶け出す量が少なく、軟水が多くなります。
一方ヨーロッパはミネラルの多い堆積岩を主とした地層です。
さらに地形の傾斜が緩やかであり、雨水は地層にゆっくり浸透してミネラルを吸収するため、硬水になるのです。
一般に、軟水はクセが少なくまろやかな口当たりで、料理にも飲用にも適しています
硬水は硬度が高くなるほど苦味などのクセが強くなり、和食には不向きです。

多量のミネラルが腎臓に負担をかけ、下痢を招く場合もあるので慣れない方は飲み過ぎに注意が必要です。

ただし、硬水には固い肉を柔らかくする効果があるので、洋風の煮込み料理などには最適です。

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純水とは、不純物やイオン成分を一切除去した水のことです。「ろ過」や「蒸留」、さらに「イオン交換樹脂」などいろいろな浄化方法により呼び方が違ってきます。「RO水」 ⇒ 逆浸透膜を利用し、放射能物質やダイオキシン、トリハロメタンなどの有害な物質やミネラル成分まで取り除いた水。「脱イオン水」 ⇒ イオン交換樹脂やRO膜を使ってイオン成分を除去した水「蒸留水」 ⇒ 水をいったん蒸発させて再び水に戻したもの...