浄水器

適切な浄水処理を施された水道水はそのまま飲んでも健康上の問題はなく、味わいも非常に優れたものです。
しかし、さらに安心しておいしい水道水を使うために、浄水器を設置する家庭もあります。

浄水器とは、水道水に含まれる残留塩素や、通常の処理工程で除去しきれなかったり、水道管の劣化などによって生じたりした不純物を除去するための機器です。

水道水をより安全に使うための装置と考えてください。
除去可能な物質やろ過流量などは製品によって異なっています。
浄水器には様々な種類がありますが、比較的安価な簡易タイプでは、ペットボトルの購入や宅配水などに比べ、低コストで浄水を使うことができます。

一方で、フィルターの除去性能が製品によって低かったりカートリッジ交換時期を過ぎるとデメリットが大きくなるものもありますので、検討する際には注意が必要となります。

浄水器は蛇口や水周りに設置し、通常原水と浄水の切り替えができるようになっていて、洗い物などには原水・飲用や料理などには浄水と使い分けをしている方が多いようです。
「水道水をより安全に使いたい」「より美味しい水を飲みたい」という方は、自分の使い勝手に合った浄水器を選ぶことで、毎日のお水を安心安全にすることができるでしょう。
高機能浄水器になると色々なタイプがあり、中にはウォーターサーバー(宅配水)の特徴やメリットを備えているものもあります。

 

 

浄水器の仕組み

浄水器の内部には、不純物をブロックするためのカートリッジが設けられています。
ろ材には、活性炭、中空糸膜、セラミックなどの種類があります。
それぞれ除去可能な物質が異なるため、通常は複数のろ材を組み合わせて使用します。
カートリッジは使い続けているとろ過能力が低下するため、定期的な交換が必要になります。交換時期は3か月〜1年に1回程度と、製品によって様々です。
交換時期を過ぎたカートリッジを使い続けると故障の原因にもなりますので、交換時期よりなるべく早めに交換するよう心がけましょう。

 

浄水器の種類・形状

浄水器には様々な形状のものがあります。
まず、水道(給水栓)に連結し、連続的に水道水を浄水するタイプ。
蛇口に連結して水道水を浄水するものとしては、据え置き型蛇口直結型などがあります。
一方、アンダーシンク型や元栓一体型は、蛇口以前の段階で水道水を浄水するタイプです。
このほか、独立して使うタイプの浄水器もあります。ピッチャーのような形をした浄水器で、中に水を汲み入れて使います。
浄水器の種類によって、設置スペースや浄水能力、コスト、使い方は大きく異なります。
どんなふうに浄水器を使うかということをあらかじめイメージしてから選ぶことが大切です。

 

浄水器の使い方

浄水器はただ付けていればよいというわけではありません。
使い方にも注意が必要です。
まず、朝起きて最初に浄水器を使う際には、数秒間水を流すようにします。
これにより、カートリッジ付近に滞留した水と細菌を外に流します
また、浄水器を通した水は水道水と比べて殺菌のための塩素が少なくなっていますから、なるべく早く飲み切る必要があります
浄水器で安心しておいしい水を楽しむためには、浄水器のお手入れも欠かせません。

蛇口付近やホース類などは日常的にお手入れをするようにしましょう。

浄水器は毎日使うものですから、説明書等を目立つ場所に置いておき、いつでも見られるようにすることも大切です。

 

浄水器の導入費用と維持費

浄水器には初期費用として、本体の購入費がかかります
本体価格は数百円〜数十万円と製品によって様々なので、予算や求める性能に合わせて選ぶことが可能です。
また、浄水器の種類によっては、浄水器を取り付けるための工事費用がかかるものもあります。
浄水器にかかるランニングコストは、主に交換カートリッジの費用です。
交換カートリッジの価格帯は数百円〜1万円程度で、一般的にはろ過性能が高いほど高額なものが多いです。
カートリッジの交換時期は製品や使用量などで異なりますが、安価な浄水器の方が交換頻度は高い傾向があります。
交換頻度によってランニングコストも変わるので、「カートリッジの価格」と「交換頻度」の両方を考えて計算しましょう。

 

浄水器がおすすめの人
  • コストを安く抑えたい
  • 手軽に導入したい
  • 設置スペースに制限がある

浄水器の導入

浄水器は、最初に設置する作業が生じるものの、一度設置すれば水道水と同じ感覚で手軽に使えます。
また、カートリッジの種類にもよりますが、フィルター交換の頻度は半年から1年となっており、そこまで頻繁にメンテナンスする必要がありません
フィルター交換の手間も大きくないので、一度覚えればスムーズに交換できるでしょう。

高齢者や女性でも簡単に管理できるので、設置するメリットは大きいでしょう。

浄水器の導入メリット

一人暮らしをしている人の中には、「水道水の水があまり美味しくない」「塩素のニオイが気になる」と感じている人もいると思います。
浄水器は活性炭に水道水を通すことで、残留塩素を低減・除去してくれるものです。
そのため気になるカルキ臭を抑えて、美味しく水を飲めるようになります。
日本の水道水は法令で定められた厳しい水質基準を満たしているため、基本的にはそのまま飲んでも問題はありません。
ですが、時には給水管や配水管などの老朽化などが原因で、水道水に赤サビなどの不純物が混じってしまうケースもあります。
浄水器の場合、どの物質をどれくらい除去・減少できるかという浄水能力などを「品質表示」として明示することが、「家庭用品品質表示法」で定められています。
製品によって除去できる物質の種類や量が異なるため、事前にチェックしておきましょう。

 

浄水器は大きく分けて5種類あって、蛇口に取り付けるだけの簡単なものから、設置スペースを確保する必要があるもの、別途工事が必要となるものまで様々です。
浄水器の種類によっては蛇口の形状、設置スペースやシンクの調整も必要なので、導入時に思った以上の手間がかかることもあります。

 

ミネラルウォーターを購入する必要がなくなる

一人暮らしに浄水器を導入すれば、ミネラルウォーターを購入する必要がなくなります
ですので、スーパーまでミネラルウォーターを買いに行き、自宅に持ち帰る手間もかかりません。
また、ペットボトルに入ったミネラルウォーターは、飲みきったあとに容器の処分が必要です。
浄水器を導入してペットボトルを買わなくなれば、ペットボトルを捨てに行く手間も省けます。
また、空いたペットボトルを保管しておく必要もなくなるので、スペースの確保にもつながるでしょう。
一日にペットボトルを買う金額を考えてみましょう!

 

蛇口直結型

蛇口直結型は、その名の通り蛇口の先端に浄水器本体をセットするタイプです。
価格が手ごろで取り付けが簡単なものも多いので、「手間と費用を抑えて浄水器を導入したい」という人に向いています。
また、製品によってはさまざまな蛇口の形状に対応できるため、汎用性が高く導入しやすいのもメリットです。

 

据え置き型

据え置き型は、シンクの横などに設置し、水道管からくみ取った水を浄水するタイプの浄水器です。
浄水は浄水器本体から出すものもあれば、蛇口を通して出すものもあります。
また、蛇口直結型よりもサイズが大きいので、それだけ浄水処理量が多いのも特長。
しかし、据え置き型は本体のサイズが大きいぶん、それだけ広いスペースを確保しなければなりません。
一人暮らしをする住居によっては十分なスペースが確保できない可能性があるため、注意が必要です。

 

水栓一体型

水栓一体型は、自宅の水栓にカートリッジが組み込まれたタイプの浄水器。
蛇口部分がホースになっているものもあり、引き伸ばして使用できるのが特長。
また、切り替えスイッチが設置されており、シャワー機能が使える製品も販売されています。

ただし、水栓一体型を導入する際は工事が必要になる場合があるので、「賃貸住宅を借りて一人暮らしする」という人は大家さんや管理会社に確認する必要があります。

 

アンダーシンク型

アンダーシンク型は、キッチンの下に置くタイプの浄水器です。
大型のフィルターがついているものが多いので、高い浄水能力が期待できます。
ただし、このタイプの浄水器も工事が必要になるので、一人暮らしをする場所によっては取り付けできない可能性があります。
また、機器の購入費用とともに工事費用もかかるので、水栓一体型と同様、費用の負担が大きくなるかもしれません。

 

ポット型

ポット型は、文字通りポットの形状をした浄水器
れまで紹介した浄水器のように蛇口や水道にセットする必要がなく、手軽に美味しい水を味わえるのが特長。
お手ごろな価格で入手できるものが多いので、一人暮らしにも導入しやすくなっています。
また、浄水をポットのまま冷蔵庫で保管できるのも、ポット型浄水器のメリットです。
「冷たい浄水を飲みたい」と思ったら、冷蔵庫からすぐに取り出せるので便利でしょう。
ただし、ポットの容量には上限があるので、一度に大量の浄水を使いたい場合は、水を何度か汲み直す必要があります。
ですので、「料理のときにまとまった水を使いたい」などの場合は手間がかかるかもしれません。

ウォータースタンド

ウォータースタンドの浄水能力は、浄水器の中でも高水準なレベルです。
しっかり浄水したキレイなお水をタンク内に貯めて、冷水・温水・常温水をいつでも使えるようにしています。(機種によって仕様が異なります)
また、通常の浄水器ではユーザーが管理しなければならないカートリッジ交換時期も、専門スタッフが定期メンテナンスの際に行うので、衛生面でも安心度が高いと言えます。
定額制使い放題なので、料理にも気兼ねなく使えて非常に便利です。
もちろん、ボトルの注文や購入、在庫管理も不要です。
この便利さによる効果が加わると、浄水器の必要性に対する認識が変わるかもしれません。